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ママと少年の話

前回の続き。
序章の下りに向かうあたりです。
相も変わらず自己満足ですが、よろしければ。
自分で読んでみて同人誌ってこうやって色々考えるのかね?って思いました。
これがあって、本編のつもり。。。
◆泣き虫のヤマネコの少年
その少年はファミリーの中でも身体は小さく、気も弱く、すぐに泣く、でも家族、友達を誰よりも想ってあげられる優しい素直な子でした。
一人でいる時はいつも絵本を読んでいました。
その絵本は、あるお城のお姫様が悪い魔女に呪いをかけられてしまい、目覚めることのない眠りについてしまったお姫様を助ける為に、おもちゃの剣とバケツの兜をかぶった勇気ある少年と、彼に導かれたたくさんの仲間達と、数々の困難を乗り越え、ついには魔女を打ち倒し、お姫様が目覚めるハッピーエンドのお話でした。
少年はそのお話にいつも夢中でした。そのヒーローに憧れました。
「僕はいつかヒーローになりたい」
そんな夢を、ママにだけは内緒話として、よくお話していました。
ママはいつも笑顔で、その夢をちゃんと聞いてあげていました。
少年はママが大好きでした。
ママも少年が大好きでした。

◆リンゴ
ママは少年の食の細さを心配していました。
どこかのんびり屋で、気の小さい少年はいつも家族に一生懸命ついていくのが精一杯で、無理をしていないか心配でした。
ある日、少年が風邪を引いた時、家族が何なら食べる事が出来るかみんなで一生懸命考えました。
カレー、ハンバーグ、エビフライ・・・子供が好きそうなものですが、ざんねん。重たくて食べられません。
ママはリンゴをすりおろしにして与えました。ゆっくりとですが、ジューシィと少年はペロリと食べてしまいました。
無事に回復した少年はママに連れられて、二人で丘の上にやってきました。海の見える丘です。
二人で一緒に、そこにリンゴの木を植えました。
ほんとうにここに木が生えるの?
そんな少年の疑問に「ボクちゃんが大きくなる頃にはきっと美味しいリンゴがなってるよ」と教えました。
この木が大きくなったら、家族みんなで食べようね。
それまでは二人の秘密だよ。
ママと少年だけの秘密が、もう一つ増えました。

◆成長の証
少年はそれから変わったように、何でも食べるようになりました。
みんなが驚くくらいです。
それでも、泣き虫なのはなかなか治りませんでした。
みんなそれが彼の良さだと知っていたのです。泣き虫は優しさの裏返し。
ネズミの姉とウサギの姉には厳しくされているようですが・・・彼はちっとも苦ではないのです。
スクスクと大きくなった少年は、体は大きく心は優しい若者へと育とうとしていました。
毎日のように、リンゴの木が少しずつ大きくなるのを見てきた彼は大きくなりたいと無意識に願っていたのです。
その願いは叶ったようです。
叶ってしまったのです。

◆沈む視線
ママはあの戦後から毎日休む間もなく、子供達の為に頑張ってきました。
毎日、子供達に助けられ、そして導いて、あっという間でした。
最近は少し体の重さを感じるようになりました。それは疲労もあるのでしょうが、初めて地面に立った時に感じた、地面と海の間にあるような・・・
子供達も大きくなり、手のかからなくなったとはいえ、長い時を過ごしたのです。ママも自分に若さは無いとわかっていましたが、出来るだけちゃんと目を開けていようと毎日必死でした。
視線が少しずつ低くなる・・・その恐怖にも似たような違和感を冷静に受け止めていました。
あの水晶の輝きが強くなった気がしました。

◆嵐
嵐の夜でした。
その夜、最初に目を覚ましたのは少年でした。
みんな目を覚まして、起きてきました。
いつも舞台で使うホールから何か唸り声が聞こえるのです。みんな武器になりそうなものを手に持って、ゆっくりと舞台へ向かいます。
少年達はそこで驚いた者を見ました。
そこに、ママが立っていました。その身体から得体の知れない「何か」が吹き出ているように見えました。
ママは必死の形相でその手に持った水晶を抑えこもうとしています。
「おまえたち!来るんじゃない!」
少年も、みんなも初めて見る顔でした。

◆魔女達の眠り
ママはわかっていました。自分の幸せは必ず終わる。長い夢を見ているだけなのだと。
自分のような女には出来過ぎた幸せだ。
この水晶に封じ込まれた力を自分は知っていたのだ。
なぜなら、ママ自身も、海の魔女なのだから。
自分の望みと、水晶の意思が持つ望みが重なったから出来た筋書きなのだ。
時が来たと気付いたのは自分の視線が下がり始めた時期だ。
でも、せめて子供達を逃がす時間くらい、ママとして作らなければ。
最後まで、子供達のママとして。
少年は感じていました。ママの苦しみ、願い、幸せ。
みんなも感じていました。ママの辛さ、希望、そして別れを。
飛び出した少年はママを強く抱きしめました。
「ママから出て行け!」
ヤマネコの少年の手には、水晶の玉が握られていた。

◆遠い朝
ネズミの姉が覚えているのは、ヤマネコの少年が飛び出したところまで。
みんなが目を覚ますと、ママが目を覚まさなくなったのです。
お医者さんが飛んでやってきて、死んでいるわけではない、ただ目覚める事もないと聞いて、目の前が真っ暗になった。これはまるで、あの絵本の中のお姫様じゃないか。
そしてこの日から、あのヤマネコの少年の姿も見ることがなくなった。
この日、ファミリーが崩壊した。

◆青春の終わり
ヤマネコの少年は、力を吹き出し続ける水晶を抱え全力で外へ飛び出していた。
これはとても危ないものだ。
その直感が、その大きく育った身体を震わせ、全力で駆け出していた。
どれだけ走ったかわからない。
気づけば見覚えのない山の中でした。
走り疲れて倒れた彼は、地面に伏せながらも思いました。

ママは呪われた。ママに与えられるはずだった、この危険な力は今、自分を取り込もうとしている。
この水晶に意志はあっても魂はない。
あるのはただ、ママを縛る危険な力・・・魔力だけだ。

少年の両手に、今まで感じた事のない力が宿るのを感じました。
疲れが吹き飛んでいきます。立ち上がった少年は、徐々に落ち着きつつある水晶の玉を握り直しました。

ママを助ける為には「この膨大な力を全て使い尽くせばいい」
その為には悪役にもなろう。
「また、ピートか」と呼ばれても。

この日、魔王が誕生した。
少年の青春が終わり、孤独な戦いが始まる。

─────────────────────

シリーズを重ねるうちに「また、ピートか」ってコメントがあるのを見て、何かこう理由付けがあるとかっこいいよねとずっと思っていました。
20年ぐらい前にマジカルアドベンチャーを遊んだ時の「なんでピートって悪い事してんの?」って疑問もあり、「ビッグママ」って自分でもどう扱っていいかわからないキーワードも出たり、あれやこれやとこんなお話と自分の中で昇華されていました。
つまりはダブルヒーローな位置付け。
ほれ、傷のある悪役ってかっこいいだろう。

「マジカルアドベンチャー」はピートの大魔法。
ファンタジーを具現化する膨大な魔力の消費が必要な舞台の創造。
3回に分けてようやく使いつくしましたとさって話。
この魔法は自ら物語のラスボスとして登場し、ヒーローに打ち倒される事で「初めて完成」する為、
最もヒーローを信じたラスボスという皮肉な立場となる。

こう落としこむと、あちこちにアイテムがあったり、衣装が用意されていたり、レベル「やさしい」があったりとかミッキーに都合いいよねってシーンの理由付けにもなるかなと一人でにやにやしたりとかね。

ここまで読んでくれてありがとうございました。

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